
【日本三大四国霊場】とは?お遍路の基本から巡り方まで徹底解説
「日本三大四国霊場」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、弘法大師・空海ゆかりの霊場を巡る「お遍路」の中でも、特に代表的な3つの霊場を指す言葉です。
一般的に、元祖である「四国八十八ヶ所」に加え、
福岡県の「篠栗四国八十八ヶ所」、
愛知県の「知多四国八十八ヶ所」を合わせて「日本三大四国霊場」と呼ばれることがあります。
この記事では、
各霊場の特徴から、初心者向けの巡礼ガイド、ご利益、注意点まで、日本三大四国霊場の巡礼を考えているあなたの疑問をすべて解決します。
この記事を読めば、お遍路への一歩がきっと軽くなるはずです😊💖
「日本三大四国霊場」とは?
「日本三大四国霊場」には、実は公式な定義がありません。
一般的には、元祖である「四国八十八ヶ所」に加え、
「篠栗四国八十八ヶ所」(福岡県)
「知多四国八十八ヶ所」(愛知県)の3つを指すことが多いです。
また、これとは別に「日本三大四国霊場」という括りもあり、この場合は「四国八十八ヶ所」の代わりに「小豆島八十八ヶ所霊場」(香川県)が入ります。
- 一般的な「日本三大四国霊場」
① 四国八十八ヶ所霊場(徳島・高知・愛媛・香川)
② 篠栗四国八十八ヶ所霊場(福岡)
③ 知多四国八十八ヶ所霊場(愛知) - 日本三大"新"四国霊場
① 小豆島八十八ヶ所霊場(香川)
② 篠栗四国八十八ヶ所霊場(福岡)
③ 知多四国八十八ヶ所霊場(愛知)
この記事では、より広く知られている前者の組み合わせで、それぞれの霊場の魅力や巡り方を徹底的にご紹介します。
日本三大四国霊場の魅力4選

なぜ多くの人々が、時間や費用をかけてまでお遍路へと向かうのでしょうか。
そこには、時代を超えて人々を惹きつける普遍的な魅力があります。
1. 弘法大師の足跡を辿る歴史と文化の旅
1200年以上前に弘法大師(空海)が開いたとされる霊場を巡ることは、日本の仏教文化や歴史に深く触れる体験です。各札所には独自の由来や伝説が残っており、知的好奇心を満たしてくれます。
2. 心と体を癒すリフレッシュ効果
美しい自然に囲まれた霊場を歩いて巡ることで、日常の喧騒から離れ、自分自身と向き合う静かな時間を持てます。心身ともにリフレッシュできる、最高のデトックス効果が期待できるでしょう。
3. 初心者も安心な多様な巡礼スタイル
徒歩だけでなく、車やバスツアーなど、体力や時間に合わせて巡礼方法を選べます。また、篠栗や知多など、比較的コンパクトなエリアで完結する霊場もあり、初心者や週末を利用した巡礼にも最適です。
4. 人との温かい繋がりに触れる「お接待」
お遍路さんを助け、もてなす「お接待」の文化。地元の人々の優しさに触れることで、心が温かくなり、人との繋がりの大切さを再認識できます。これは他の旅行では決して味わえない、お遍路ならではの醍醐味です。
三大霊場を徹底比較!あなたに合うのはどれ?
「自分も巡ってみたいけど、どこが合っているんだろう?」という方のために、各霊場の特徴を一覧表にまとめました。
四国八十八ヶ所 | 篠栗四国 | 知多四国 | |
エリア | 四国4県 | 福岡県篠栗町 | 愛知県知多半島 |
総距離 | 約1,400km | 約50km | 約194km |
日数(車) | 約10日~ | 約2日~ | 約3日~ |
日数(徒歩) | 約40日~ | 約4日~ | 約7日~ |
費用目安(車) | 20万円~ | 3万円~ | 5万円~ |
特徴 | 壮大で本格的 お接待文化が色濃い |
非常にコンパクト 週末や日帰りも可能 |
海沿いの景色が美しい 無住寺が多い |
各霊場の特徴とモデルコース(費用目安付)

金額は「概算」です。旅のスタイル(歩き遍路・車遍路)によって大きく変わります。
また、日数や旅支度で変動します。
① 四国八十八ヶ所霊場【元祖・お遍路の代名詞】
四国4県に点在する88ヶ所の札所を巡る、最も有名で規模の大きな霊場です。
総距離は、一般的な標準ルートでは約1,100〜1,400kmとされ、歩きで40日〜などの目安になります(ルート差あり)。
全行程を歩く「通し打ち」は、多くの人々の憧れですが、体力や時間に合わせて区切って巡る「区切り打ち」が一般的です。
「お接待」という温かい文化が根付いているのも大きな特徴です。
- 見どころ:
一番札所「霊山寺」、弘法大師御誕生所の「善通寺」、絶景が広がる「岩屋寺」など、各県に見どころが満載。 - モデルコース(車で徳島県・発心の道場を巡る2日間):
1日目:1番霊山寺~10番切幡寺
2日目:11番藤井寺~17番井戸寺 - 費用目安:
上記コースで約3~4万円(交通費・宿泊費・納経料など)
② 篠栗四国八十八ヶ所【福岡の身近なコンパクト霊場】

福岡県糟屋郡篠栗町にすべての札所が集中しており、コンパクトで巡礼しやすいのが最大の魅力。
全長約41m・高さ約11mという世界最大級の大きな釈迦涅槃像がある「南蔵院」が総本寺として特に有名で、国内外から多くの観光客が訪れます。
週末や日帰りでの巡礼も可能なため、お遍路入門に最適です。
- 見どころ:
何と言っても一番札所「南蔵院」の釈迦涅槃像は圧巻。胎内めぐりも体験できます。 - モデルコース(車で巡る週末1泊2日):
1日目:1番南蔵院から時計回りに巡る(約44ヶ所)
2日目:残りの札所を巡り結願 - 費用目安:
約3万円(交通費・宿泊費・納経料など)
③ 知多四国八十八ヶ所【愛知の海沿いを巡る歴史の道】
愛知県の知多半島に広がる、江戸時代に開創された歴史ある霊場です。
風光明媚な海岸線を眺めながら巡れるコースが多く、ドライブやツーリングを兼ねて楽しむ人も。
小規模な札所や無住寺も見られる点が特徴です(寺院の規模や住職の在没は寺により異なります)。
- 見どころ:
開祖ゆかりの妙楽寺、日間賀島や篠島に船で渡って参拝する札所もあり、小旅行気分を味わえます。 - モデルコース(車で巡る3日間):
1日目:1番~29番
2日目:30番~60番
3日目:61番~88番 - 費用目安:
約5万円(交通費・宿泊費・納経料など)
初心者必見!お遍路の持ち物とその意味

形から入るのも大切なこと。
お遍路用品は、単なるグッズではなくそれぞれに深い意味が込められています。
代表的なものを5つご紹介します。
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- 金剛杖(こんごうづえ):弘法大師の化身とされ、道中の苦難から守ってくれる最も大切な法具。橋の上では「弘法大師が眠っているのを起こさないように」と杖をつかないのが習わし(弘法大師の故事に由来)です。
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- 菅笠(すげがさ):日差しや雨を防ぐ実用性はもちろん、「同行二人(どうぎょうににん)」の文字が書かれ、常に弘法大師と共にいることを示します。
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- 白衣(びゃくえ):死装束を意味し、俗世を離れ、生まれ変わる覚悟を示す正装です。これを着ることで、気持ちが引き締まります。
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- 納経帳(のうきょうちょう):各札所で参拝の証として御朱印をいただく帳面。満願した納経帳は、家宝やお棺に入れる宝物となります。
- 輪袈裟(わげさ):仏教徒であることを示す略式の袈裟。首にかけるだけで正装となり、参拝の際は必ず身に着けましょう。
お寺での参拝作法7ステップ
お寺は神聖な場所。正しい作法で、心を込めてお参りしましょう。
- 山門で一礼:
境内に入る前に、合掌し一礼します。 - 手水舎で清める:
まず左手、次に右手、最後に口をすすぎ、心身を清めます。 - 鐘楼堂で鐘をつく:
参拝前に一度だけつきます。※お参り後に鐘をつくのは「戻り鐘」とされ、縁起が悪いのでNG! - 本堂でお参り:
ロウソク、お線香をあげ、お賽銭と納札を納め、合掌して読経します。 - 大師堂でお参り:
本堂と同じようにお参りします。弘法大師への感謝を伝えます。 - 納経所で御朱印をいただく:
本堂・大師堂へのお参りを済ませてから、納経帳に御朱印をいただきます。 - 山門で一礼:
境内を出る際に、本堂に向き直り、合掌して一礼します。
日本三大四国霊場についての注意点

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- 服装・持ち物:歩きやすい靴(スニーカーやトレッキングシューズ)は必須です。重ね着できる服装で体温調節を。雨具、帽子、飲み物、そしてお寺で納経(御朱印)をいただくための納経帳も忘れずに。
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- お遍路でやってはいけないこと:殺生や無益な争いはもちろん、お寺でのマナー違反は厳禁です。特に、参拝前に納経所へ行く、鐘を参拝後につく、他人のロウソクから火をもらう(業をもらうとされる)といった行為は避けましょう。
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- お接待の文化:特に四国では、地元の方がお遍路さんにお茶やお菓子などを提供する「お接待」という文化があります。これは弘法大師への功徳とされています。無理に断らず、感謝の気持ちで受け取りましょう。お返しは不要ですが、「納め札」をお渡しするのが慣わしです。
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- 女性一人旅でも安心:最近は女性一人でお遍路をされる方も増えています。宿坊や民宿など、女性が安心して泊まれる施設も多いです。ただし、暗くなってからの行動は避け、防犯意識は常に持っておきましょう。
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- ご利益について:霊場巡りのご利益は、家内安全、病気平癒、心願成就など様々ですが、最大の目的は自己と向き合い、心を清めることにあります。88の煩悩を消し去るという意味も込められています。
- 巡礼の順番:札所の番号順に巡る「順打ち」が基本ですが、逆から巡る「逆打ち」。言い伝えでは、よりご利益が大きいとされています。また、区切って巡る「区切り打ち」でも全く問題ありません。
日本三大四国霊場についてのQ&A

初めてお遍路を考えている方が疑問に思うことをQ&A形式でまとめました。
Q. 88ヶ所巡るのに何日かかりますか?
A. 巡礼方法と霊場によります。例えば、元祖・四国八十八ヶ所なら車で約10日~、篠栗なら車で2~3日が目安です。ご自身の体力やスケジュールに合わせて計画を立てましょう。
Q. 霊場巡りの目的は何ですか?
A. 供養や祈願のため、自分探しの旅、健康のためなど、目的は人それぞれです。どんな動機であれ、弘法大師は温かく迎えてくださると言われています。難しく考えず、まずは一歩を踏み出してみることが大切です。
Q. 納経(御朱印)の料金はいくらですか?
A. お寺によって多少異なりますが、一般的に納経帳(重ね印含む)500円、白衣 300円、掛軸 700円が目安です。お釣りのないよう小銭を用意しておくとスムーズです。
納経などの費用について。
寺院によって差があるため、各札所の窓口でご確認ください。
まとめ
日本三大四国霊場はそれぞれに異なる歴史と魅力を持ち、私たちに多様な巡礼の形を提案してくれます。
壮大な四国を巡る旅、身近な篠栗や知多で週末に自分を見つめ直す旅。
どちらも、あなたの人生にとってかけがえのない経験となるでしょう。
この記事を参考に準備を整え、弘法大師が歩んだお遍路の道へ!
ぜひ一歩を踏み出してみてくださいね😊👋
日本三大四国霊場の巡礼マップ
各霊場の最初のお寺(一番札所)の場所はこちらです。
各霊場の「第1番~第88番」の位置情報については、緑のボタンをクリックしてご覧ください😊
四国八十八ヶ所霊場 一番札所 霊山寺
住所:徳島県鳴門市大麻町板東塚鼻126
篠栗四国八十八ヶ所霊場 一番札所 南蔵院
住所:福岡県糟屋郡篠栗町大字篠栗1035
知多四国八十八ヶ所霊場 一番札所 曹源寺
住所:愛知県豊明市栄町内山45
💡RAKO's TIP:日本三大四国霊場は、下記の『【篠栗南蔵院』涅槃像の役割!営業時間・御朱印・犬専用水飲み場まで!』に出てきます。
【福岡近隣や篠栗南蔵院に行くときの参考に!】
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